足が速いという魅力

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春先に怪我をしてしまい、数ヶ月ほどランニングができない状態だったのですが、

ようやく負傷が癒えて来て、先週からランニング再開となりました。

走るのはいいですなあ。

他人から見たらどうでもいいことでしょうけど、

とりあえず「やった感」「頑張った感」が本人にはありまして、

それがたとえどんなに遅くても、充実した気持ちになってシャワーにあり付くことができるわけなんです。

これは気分がよろしいわけですよ。

しかも早朝だから暑くないですし。

そんな生活を取り戻して一安心していたら、やっぱり油断は禁物。

いつもコースにいつも通りにいるんですよ、足が速い人が。

おそらく陸上部出身なのでしょう、今も大会に出てる現役バリバリ感が溢れていて、

これは戦うまでもなく、変にスピードを競う気も失せる次元の人なので、

僕は静かに彼が追い抜いて行けるようにコースを開けてマイペースで走るわけなのです。

が、これはこれでいいのですが、

たまに遭遇するんですけど、そこそこ速い女性もいるのです。

この人には男子たるもの負けられないと言いますか、負けてはいけないと思うのですが、

おそらくこの人も元陸上部で市民ランナー的な空気を漂わせているので、

「ムキー」と思いつつも、やはり静かにコースを譲るのです。

やっぱり、これは悔しいですよね。

「怪我さえなければ勝てるんだからな」と彼らに言いたいんですけど、

仮に怪我明けでなかったとしても彼らには絶対に勝てるとは思えないので

言葉をグッと飲み込んで黙々と走るわけなのです。

 

それにしても「足が速い」っていうカードってランニングをしない人たちにすれば、大人になったらあまり有用では無いんですよね。

社会人として足の速さが役に立つ局面っていうのは、電車の時間にギリギリの時だったり、

信号が変わる直前に横断歩道を渡り切る時だったりと、その能力を使う機会というのは極めて限定されがちです。

でも、小学生の時ほどでは無いけど、いざという時にポイントが高い能力だったりしましたよね。

なんと言っても、子供の頃は身体能力っていうのは大きなポイントで、

どんなに勉強ができない、いや、はっきり言って馬鹿な男子でも、足が速いだけでスター扱いになったものです。

モテ期ってものを早い段階で味わえたことで、その後の彼の人生はきっとより良いものになっていたのでは無いかと、同級生のSくんのことを思い出します。

ただ、この「足が速い」っていうモテポイントって男子にとってのポイントあって、
一方、男子からすると女子のモテポイントはどうだったのかというと、

うーん、やっぱり男子からすると女子に足の速さを求めたことはなかったなあ、と思うのです。

じゃあ、何がいちばんのポイントだったんだろう?って子供の頃の記憶を手繰ってみるのですが、

やっぱり美人かどうか、だったんじゃないかなあ。

だってさ、好きな子を教え合うと被ったもんね。

タイプが違うけど、美人の部類に入る子に限定されていた気がします。

あの頃の男子ってやっぱり素直っていうか、単純っていうか、本当におバカで微笑ましいなあ、なんて思いながら

ランニング後のシャワーを浴びたのでした。

 

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